2019 年 13 巻 1 号 p. 44-53
本研究は軽費老人ホーム利用者の身体機能を縦断的に観察し,要支援・要介護認定の有無で比較することを目的とした.対象者は初回(ベースライン)と5年目の測定に参加した28名(77.9±7.3歳)とし,追跡期間を通じて自立を維持した群(自立群),新規に認定を受けた群(新規認定群),ベースライン時に認定を受けていた群(認定継続群)の3群に分けた.身長,体重および30秒椅子立ち上がり回数,10m歩行時間,ファンクショナルリーチ等の身体機能7項目を測定した.各群における測定値の変化の比較は二元配置分散分析(群×時間)を用いて検定した.
30秒椅子立ち上がり回数と10m歩行時間で有意な時間の主効果が観察された(P<0.05).ファンクショナルリーチでは有意な交互作用が検出され(P=0.034),認定継続群で有意な減少が認められた(P=0.022).また,認定継続群では有意な体重の減少が観察された(P=0.022).
施設入所高齢者のサポートには,日常生活の基盤となる基礎的な体力の維持を促すとともに体重減少を防ぐ栄養管理等も含めた包括的対策が求められる.