応用老年学
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原著論文
地域在住高齢者におけるゴルフ場ウォーキングの生理的・心理的効果
-住宅地ウォーキングとの比較で-
鈴木 知明渡辺 修一郎
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2024 年 18 巻 1 号 p. 54-61

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抄録

 地域在住高齢者で,普段からウォーキングの習慣がある人にとって,ゴルフ場におけるウォーキングがストレスを軽減する効果があるかどうかを検証した.男性5名,女性5名,計10名(73.7±4.4歳/65~81歳)を対象とした.日程の間隔を空け,山間部ゴルフ場(高低差は約30m),及び住宅地(高低差は約5m)のそれぞれ約3kmのコースを約2時間かけてウォーキングをし,その前後で唾液中アミラーゼ活性と気分プロフィール尺度であるPOMSを測定した.女性の唾液中アミラーゼはゴルフ場ウォーキング後に有意に低下した.POMSについては,ゴルフ場ウォーキングによりTA(緊張・不安),AH(怒り・敵意),さらにTMD(total mood disturbance・ネガティブな気分状態)が有意に低下した.POMSによる解析から,住宅地ウォーキングよりもゴルフ場ウォーキングの方がストレスを低減すると考えられた.

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© 2024 一般社団法人 日本応用老年学会
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