Sago Palm
Online ISSN : 2758-3074
Print ISSN : 1347-3972
研究・調査報告
サゴヤシ栽培が熱帯泥炭土壌からのメタンおよび二酸化炭素フラックスに与える影響
渡辺 彰角田 憲一Purwanto B.H.楊 和順安藤 豊
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2008 年 16 巻 1 号 p. 10-15

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抄録
熱帯泥炭土壌からのメタンおよび二酸化炭素(CO2)フラックスを移植後年数の異なる(3、5、7年)サゴヤシ栽培区および各区に隣接する二次林において比較した。メタンおよびCO2フラックス速度には日中有意な変化は認められなかった。サゴヤシ栽培土壌および二次林土壌からのメタンフラックスの平均値は25—44および23—30 μg C m-2 h-1であった。サゴヤシ栽培各区と隣接二次林との間にはいずれもメタン発生量に差は認められなかった。また、移植後年数やそれに伴うバイオマスの違いは、サゴヤシ栽培区間におけるメタンフラックスの差の主原因ではなかった。一方、サゴヤシ栽培土壌および二次林土壌からの平均CO2フラックスは43—88および44—64 mg C m-2 h-1であった。移植後3年目のサゴヤシ栽培土壌からのCO2発生量は隣接二次林土壌からのCO2発生量を上回ったが、移植後5年目および7年目のサゴヤシ栽培土壌からのCO2発生量は移植後3年目のサゴヤシ栽培土壌からのCO2発生量よりも少なく、隣接二次林土壌からのCO2発生量との間に差は認められなかった。
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© 2008 サゴヤシ学会
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