本研究ではタロイモとの混植条件にあるサゴヤシの初期生育に及ぼす窒素肥料の影響を3種の肥料を3段階で施用することによって解析した。緩効性肥料のMeister 40 (M40)、Meister 70 (M70)および尿素を供試し、施肥量は50 kg N ha
-1、100 kg N ha
-1および150 kg N ha
-1とした。サゴヤシの植物高および葉数を2005年7月25日から2006年12月20日まで定期的に測定し、一定期間における植物高の変化率を生長速度と定義して解析を行った。タロイモの収量は2006年1月5日〜12日に調査した。
混植されたタロイモの乾物収量は1637〜2080 kg ha
-1であった。窒素吸収量は施肥区でコントロールより高い値となったが、個体差が大きく有意な違いは認められなかった。サゴヤシについても移植時の違いが大きく、肥料の種類およびóハが植物高および葉数に及ぼす有意な影響は認められなかった。しかし、第1期(2005年7月25日〜2005年11月30日)および第3期(2006年7月26日〜2006年12月20日)の生長速度は施肥量が多いほど小さくなる傾向があり、その傾向は特に緩効性肥料で顕著であった。第2期(2005年11月30日〜2006年7月26日)と第3期の成長速度は27〜87 cm 半年
-1であり、8〜31 cm 半年
-1であった第1期に対して大きかった。サゴヤシの生長速度はコントロールと比べ窒素施肥量が150kg N ha
-1では阻害されたが、50 kg N ha
-1では促進された。
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