箱庭療法学研究
Online ISSN : 2186-117X
Print ISSN : 0916-3662
ISSN-L : 0916-3662
原著
プレイセラピーの素材としての砂
「拡散」と「形成」のあいだ
久米 禎子
著者情報
キーワード: , 拡散-形成, 水路づけ
ジャーナル 認証あり

2015 年 28 巻 2 号 p. 5-16

詳細
抄録
本論文では素材としての砂がプレイセラピーのプロセスに与えた影響について,砂を多様に用いた男児のプレイセラピーの事例を用いて検討した。砂は「拡散」と「形成」のあいだを行き来する性質をもつ。砂を用いた表現は,機能的な観点から,「感覚的な体験」「他者との関わり」「イメージ表現」の三つの側面を挙げることができる。「感覚的な体験」が他者と共有されることで,内的なエネルギーは「イメージ表現」へと水路づけられる。「拡散」と「形成」のあいだにある砂は,クライエントが主体を立ち上げるのに大きな役割を果たしたが,拡散する砂の性質はクライエントを一体感の世界にとどまらせる要因の一つとなったとも考えられる。
著者関連情報
© 2015 日本箱庭療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top