箱庭療法学研究
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研究報告
“遊び”の観点から見る箱庭と箱庭療法
菱田 一仁
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キーワード: 遊び, ヌミノース, 箱庭療法
ジャーナル 認証あり

2017 年 29 巻 3 号 p. 27-37

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抄録

日本において,Sand Play Therapyは伝統的な「箱庭遊び」の名から,箱庭療法と呼ばれている。それは,江戸時代に流行した箱庭遊びとSand Play Therapyの様式が似ていることから,河合隼雄がSand Play Therapyを日本に導入するにあたって,「箱庭」という名を使ったためである。つまり,今日行われている箱庭療法とは,心理療法のみならず,伝統的な遊びとも関連していると考えられるのだ。そして,日本で伝統的に遊びと称されてきたものを見ていくと,それらが神や霊と関わる行為として,つまりヌミノース的な行為として考えられてきたという共通点を持っていることが分かる。つまり,日本の伝統的な遊びという観点から考えると,現代の箱庭療法もまた,その基礎としてヌミノース的な側面を持ったものとして考えることができるのだ。

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© 2017 日本箱庭療法学会
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