2025 年 47 巻 1 号 p. 1-8
現在まで日本人2型糖尿病患者に対する高用量リラグルチドの長期有用性を比較した実臨床のデータは少ない.本研究は日本人2型糖尿病患者に対する高用量リラグルチドの臨床的有用性・安全性について実臨床で検討した.カルテベースでレトロスペクティブに解析を行った.対象は2型糖尿病患者71名(リラグルチド 増量群 43名,リラグルチド 非増量群 28名)で,リラグルチド0.9 mg/日を少なくとも3ヵ月以上使用した後,治療強化のため主治医判断で1.2 mg/日以上に増量し12ヵ月間継続できた者を対象とした.リラグルチド0.9 mg/日のまま12ヵ月継続,もしくは他のGLP-1製剤への切り替え後12ヵ月継続できた症例を非増量群とした.主要評価項目はリラグルチド増量群の12ヵ月後のHbA1cの変化とした.HbA1cは12ヵ月後には増量群において8.4%から7.8%と有意に低下し,非増量群では7.9 %から7.7 %と不変であった.12ヵ月後のHbA1c変化量は,増量群で有意に低下した.体重は12ヵ月後には増量群で75.9 kgから74.2 kgと有意に減少した.副作用で減量・中止した症例はなかった.日本人2型糖尿病患者において,実地臨床においてもコントロール不良の2型糖尿病患者にリラグルチド0.9 mg/日を使用し効果不十分の場合,リラグルチド高用量へ増量することは,副作用が少なくHbA1c改善・体重減少効果が期待できることが示唆された.