産業衛生学雑誌
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原著
最小二乗法によるスロット・フードの排気風量予測式
小嶋 純
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2012 年 54 巻 3 号 p. 108-113

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抄録

目的:局所排気装置を設計する際は,捕捉点において然るべき制御風速を得るために,排気風量を正しく見積もることが必要である.その局所排気装置の排気風量は,従来,Dalla Valleの式によって算出されてきた.Dalla Valle式は簡易かつ実用的な式ではあるが,同式が予測する排気風量は,必ずしも実際の風量と一致しないことが知られている.Dalla Valle式に代替する新たな風量予測式を構築すべく,筆者は最小二乗法を用いてスロットフードにおける新たな風量予測式の導出を試みた.方法:様々な配置ないし条件における供試スロットフードの実測値(排気風量,吸引風速,フードの大きさ,中心軸上距離)に基づき,排気風量を予測する近似式を実験的に求めた.当研究では,その近似式形を一次多項式に設定し,同式に基づいて予測された排気風量値の妥当性は実測風量値と比較する事によって行った.結果:完成した近似式が予測する風量値は,Dalla Valle式が予測する風量値よりも,実測風量との一致において優れる事が判明した.結論:同近似式は,適用範囲に制約がある点でDalla Valle式に劣るものの,条件次第では実利をもたらす可能性のあることが示された.

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© 2012 公益社団法人 日本産業衛生学会
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