産業衛生学雑誌
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原著
警察官における虚血性心疾患の危険因子とその背景要因に関する検討
塩崎 万起 宮井 信行森岡 郁晴内海 みよ子小池 廣昭有田 幹雄宮下 和久
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2013 年 55 巻 4 号 p. 115-124

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Abstract

目的:警察官は他の公務員と比べて心疾患による休業率が高く,在職死亡においても常に心疾患は死因の上位を占めることから重要な課題となっている.本研究では,A県の男性警察官を対象に,近年増加傾向にある虚血性心疾患に焦点をあて,各種危険因子の保有状況とその背景要因としての勤務状況や生活様式の特徴を明らかにすることを目的として検討を行った.対象と方法: 症例対照研究により,虚血性心疾患の発症に関連する危険因子について検討した.対象はA県警察の男性警察官で,1996–2011年に新規に虚血性心疾患を発症した58名を症例群,脳・心血管疾患の既往がない者の中から年齢と階級をマッチさせて抽出した116名を対照群とした.虚血性心疾患の発症5年前の健診データを用いて,肥満,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害,高尿酸血症,喫煙の有無を両群で比較するとともに,多重ロジスティック回帰分析を用いて調整オッズ比を算出した.続いて,男性警察官1,539名と一般職員153名を対象に,横断的な資料に基づいて,各種危険因子の保有率およびメタボリックシンドローム (MetS) の有所見率,勤務状況および生活様式の特徴を年齢階層別に比較検討した.結果: 虚血性心疾患を発症した症例群では,対照群に比べて発症5年前での高血圧,耐糖能障害,高LDL-C血症,高尿酸血症の保有率が有意に高かった.多重ロジスティック回帰分析では高血圧(オッズ比 [95%信頼区間]:3.96 [1.82–8.59]),耐糖能異常 (3.28 [1.34–8.03]),低HDL-C血症 (2.26 [1.03–4.97]),高LDL-C血症 (2.18 [1.03–4.61]) が有意な独立の危険因子となった(モデルχ2p<0.001,判別的中率:77.0%).また,警察官は一般職員に比べて腹部肥満者 (腹囲85 cm以上)の割合が有意に高く(57.3% vs. 35.3%, p<0.001),年齢階層の上昇に伴う脂質異常症や耐糖能障害の有所見率の増加もより顕著であった.45–59歳の年齢階層では個人における危険因子の集積数(1.8個 vs. 1.4個, p<0.01)が有意に高く,MetS該当者の割合も高率であった(25.0% vs. 15.5%, p<0.1).さらに,MetS該当者では,交替制勤務者が多く (33.6% vs. 25.4%, p<0.01),熟睡感の不足を訴える者 (42.5% vs. 33.7%, p<0.01),多量飲酒者 (12.8% vs. 6.3%, p<0.01)の割合が高くなっていた.結論:警察官においても高血圧,耐糖能障害,脂質異常症などの既知の危険因子が虚血性心疾患の発症と関連することが示された.また,警察官は加齢による各種危険因子の保有率およびMetS該当者の割合の増加が一般職員よりも顕著であり,その背景要因として,交替制勤務や長時間労働などの勤務形態と,飲酒や睡眠の状態などの生活様式の影響が示唆された.

I.緒 言

近年,世界経済のグローバル化と国際競争の激化によって労働者を取り巻く環境は大きく変化し,複雑多様化するニーズへの対応,長時間労働によるワークライフ・バランスの乱れなど,疲労やストレスによる健康影響が懸念されている.警察組織においても例外ではなく,犯罪の凶悪化,スピード化,広域化の進展や新たなるサイバー犯罪への迅速な対応など,個々職員の置かれた環境は年々厳しさを増し,心身への過重負荷による健康障害の発生が危惧される.このような中で,警察官の公務災害認定件数,公務上死亡者数は,学校職員や消防職員などの他の地方公務員に比べて高くなっている1).さらに,24時間体制で治安維持にあたる特殊な職業性ストレスが,肥満,糖尿病,高血圧などの進展に関連することも懸念されている2).実際に,警察官男性における悪性新生物,心疾患,脳血管疾患の,いわゆる3大生活習慣病による職員10万人当たりの長期休業者率は他の地方公務員男性に比べて高い水準にあり3, 4),なかでも心疾患によるものは,平成19–23年度までの5年間,他の地方公務員男性が42.4–51.5人であるのに対し,警察官男性は56.0–87.6人となっている.これらの背景には,長時間勤務,交替制勤務に伴う生活習慣の歪みとともに,階級社会,社会的期待に対する心理的圧迫などが少なからず影響しているものと推察されるが5),警察官において心疾患の発症が高率である原因を追究した研究は,国内外をみても依然として少ない状況にある6, 7)

そこで本研究では,A県警察における男性警察官を対象に,心疾患のなかでも,近年増加傾向にある虚血性心疾患に焦点を当て,肥満,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害などの影響を症例対照研究により検討するとともに,警察官と一般職員において,各種危険因子の保有率および勤務状況や生活習慣の特徴について比較検討することを目的とした.

II.対象と方法

1.対象集団の属性

対象者は,A県警察における男性警察官および一般職員とした.A県警察には,本部組織と警察署があり,A県内を管轄区域とする警察署数は14である.職員は,警務・留置,会計,生活安全,刑事,交通,警備の各部門で勤務にあたっている.また,職員数は約2,500人,警察官対一般職員の構成比率9:1,男女の構成比率9:1である.

2.症例対照研究

警察官における虚血性心疾患の発症に関連する危険因子を明らかにするために,症例対照研究を実施した.A県警察における男性警察官のうち,1996年4月から2011年9月までの間に新規に虚血性心疾患を発症した58名を症例群とした.これら疾患の内訳は,心筋梗塞35名,狭心症22名,急性冠症候群1名であり,病気休暇56名,死亡2名であった.対照群は,警察官のうち,脳・心血管疾患の既往歴のない者の中から,症例群1名に対して2名を年齢と階級 (警視,警部,警部補,巡査部長,巡査) をマッチさせて抽出した健康な警察官116名とした.なお,該当者がいない場合,年齢は ± 1歳,階級は ± 1階級の範囲内で抽出した.解析に使用するデータは,症例群が虚血性心疾患を発症する5年前の定期健康診断における臨床検査と生活習慣に関する基礎調査の資料とし,肥満,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害,高尿酸血症,喫煙について影響を検討した.また,対照群についてもマッチングした症例群と同年の資料を使用した.

3.横断的研究

警察官における各種危険因子の保有状況とその背景要因としての勤務状況や, 生活様式の特徴を明らかにするために,警察官と一般職員を対象に横断的資料に基づく解析を行った.A県警察に勤務し,勤務年数が5年以上である20–59歳の男性警察官1,539名(平均年齢43.6 ± 10.3歳)および30–59歳の男性一般職員153名 (平均年齢45.8 ± 8.6歳) を対象とした.解析は,2010年の定期健康診断における臨床検査(身長,体重,体脂肪率 [タニタ製TBF-11:インピーダンス法],腹囲,血圧,血液生化学検査)と,勤務状況 (交替制勤務,長時間勤務,休日取得など) ならびに生活習慣 (喫煙,飲酒,運動,睡眠,食生活など) に関する基礎調査の資料を用い,警察官と一般職員との間で虚血性心疾患の危険因子 (肥満,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害,高尿酸血症)の保有状況およびメタボリックシンドローム(MetS)の割合を年齢階層別に比較するとともに,勤務状況および生活習慣の状況を比較した.

4.分析方法

虚血性心疾患の危険因子の有無の判定は,肥満 (BMI≥25 kg/m2),腹部肥満 (腹囲85 cm以上),高血圧 (収縮期血圧: SBP≥130 mmHg,かつ/または拡張期血圧: DBP≥85 mmHg),高トリグリセリド血症 (高TG血症: TG≥150 mg/dl),高LDLコレステロール血症(高LDL-C血症:LDL-C≥140 mg/dl),低HDLコレステロール血症 (低HDL-C血症:HDL-C<40 mg/dl),耐糖能障害 (空腹時血糖:FBG≥110 mg/dl),高尿酸血症(尿酸:UA≥7.0 mg/dl)を満たすか,または,これらの疾患の治療薬を服用している場合とした.なお,LDL-CはFriedewaidの式で計算した.MetSの有無は8学会合同委員会による診断基準に従って判定した8).また,生活習慣および勤務状況についての評価項目は,喫煙 (吸う,吸わない,止めた),週当たりと1回当たりの飲酒量 (純アルコール換算で週300 g以上,または1回60 g以上の多量飲酒),定期的な運動 (1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上かつ1年以上実施),朝食欠食 (週3回以上),夕食後の間食 (週3回以上),就寝前の夕食 (就寝2時間以内),早食い(する,しない),睡眠不足(5時間未満),熟睡感の不足(寝つきが悪い,眠りが浅い,早朝より目が覚める, のいずれかに該当)を比較した.勤務状況の評価項目は,勤務体制(交替制),長時間勤務 (近時半年間の月平均残業時間が80時間超),休日取得不足 (近時3ヶ月間の平均休日日数が月3日以下) であった.

統計解析にはSPSS15.0J for Windowsを使用した.群間の比較では,カテゴリー変数にはχ2検定またはFishers exact test,連続変数にはt検定を用いた.また,症例対照研究では,虚血性心疾患の有無を従属変数,年齢,肥満,高血圧,高TG血症,高LDL-C血症,低HDL-C血症,耐糖能障害,高尿酸血症,喫煙を独立変数とする条件付き多重ロジスティック回帰分析 (強制投入法) を行い,オッズ比と95%信頼区間を算出した.警察官と一般職員での年齢階層ごとの危険因子およびMetSの有無,生活習慣および勤務状況の横断的な比較についてはχ2検定を行った.統計学的有意水準はいずれもp<0.05とした.

なお,倫理的配慮として,本研究の実施に際しては,データの利用の目的と内容およびその方法,個人情報の管理などについて情報公開し,研究対象者がデータの提供に関して拒否できるようにした.本研究は,和歌山県立医科大学の倫理委員会の承認を得て実施した.

III.結 果

1.症例対照研究

虚血性心疾患の発症5年前における症例群の基本属性,および臨床検査値をマッチングした対照群と比較してTable 1に示した.症例群での虚血性心疾患の発症年齢の平均は46.9歳 (34–60歳) で,発症までの勤務年数は24.1年 (7–35年) であった.また,症例群は対照群に比べてSBP,DBP,TG,LDL-C,FBGが高値でHDL-Cが低値であり,有意な差が認められた.定期的運動や睡眠の状況,虚血性心疾患の家族歴は両群間で差は認められなかった.飲酒については,週3回以上飲酒する者の割合は, 症例群よりも対照群で有意に高率であった.

Table 1. Sociodemographic and clinical characteristics of cases and controls
Cases (n=58) Control (n=116) p-value a
Age (yr) 46.9 ± 5.2 46.7 ± 5.3 0.845
Height (cm) 170.4 ± 5.4 170.1 ± 5.3 0.725
Body weight (kg) 73.0 ± 9.9 70.0 ± 9.2 0.051
Systolic blood pressure (mmHg) 135.4 ± 18.9 123.7 ± 13.5 <0.001
Diastolic blood pressure (mmHg) 81.4 ± 11.4 73.6 ± 10.0 <0.001
Triglycerides (mg/dl) b 184.8 ± 101.1 147.2 ± 63.0 0.003
HDL-cholesterol (mg/dl) 43.3 ± 9.7 49.4 ± 13.2 0.002
LDL-cholesterol (mg/dl) 148.8 ± 48.6 130.1 ± 32.9 0.010
Fasting blood glucose (mg/dl) 115.0 ± 41.0 100.3 ± 23.3 0.003
Uric acid (mg/dl) 6.2 ± 1.3 5.9 ± 1.2 0.102
Length of employment (yr) 24.1 ± 7.0 25.3 ± 6.8 0.307
Regular exercise (≥2 times/wk) 9 (15.5) 24 (20.7) 0.539
Alcohol drinking (≥3 times/wk) 33 (56.9) 86 (74.1) 0.025
Sleeping hours (<5 h/night) 5 (8.6) 3 (2.6) 0.119
CHD family history 4 (6.9) 5 (4.3) 0.483

Values are mean ± s.d., number (percent of subjects). a Data comparisons were performed by t-test, chi-square test, and Fisher’s exact test. b Logarithmic transformation was performed before analysis. LDL indicates low density lipoprotein; HDL, high density lipoprotein; CHD, coronary heart disease.

症例群と対照群における肥満,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害,高尿酸血症,喫煙の状況を比較してTable 2に示した.症例群では各種危険因子の保有率が高い傾向にあり,なかでも高血圧,耐糖能障害,高LDL-C血症,高尿酸血症では有意な差が認められた.また,その虚血性心疾患の発症に対するオッズ比 (95%信頼区間)は,高血圧:3.36(1.73–6.53),耐糖能障害:2.62(1.23–5.59),高LDL-C血症:2.12 (1.11–4.02),高尿酸血症:2.47 (1.23–4.98) となった.

Table 2. Traditional risk factors in cases and controls 5 years before the onset of ischemic heart disease
Risk factors a Cases Control Crude Adjusted b
(n=58) (n=116) OR (95%Cl) OR (95%Cl)
Obesity
 Body mass index (≥25 kg/m2) 25 (43.1) 40 (34.5) 1.44 (0.76–2.75) 1.01 (0.47–2.17)
Hypertension
 Blood pressure (≥130/85 mmHg) 39 (67.2) 44 (37.9) 3.36 (1.73–6.53) 3.96 (1.82–8.59)
Dyslipidemia
 Triglycerides (≥150 mg/dl) 31 (53.4) 45 (38.8) 1.18 (0.96–3.43) 1.97 (0.91–4.24)
 DL cholesterol (<40 mg/dl) 24 (41.4) 31 (26.7) 1.94 (1.00–3.76) 2.26 (1.03–4.97)
 LDL-cholesterol (≥140 mg/dl) 30 (51.7) 39 (33.6) 2.12 (1.11–4.02) 2.18 (1.03–4.61)
Glucose intolerance
 Fasting blood glucose (≥110 mg/dl) 18 (31.0) 17 (14.7) 2.62 (1.23–5.59) 3.28 (1.34–8.03)
Hyperuricemia
 Uric acid (≥7.0 mg/dl) 22 (37.9) 23 (19.8) 2.47 (1.23–4.98) 2.18 (0.99–4.82)
Smoker 39 (67.2) 76 (65.5) 1.08 (0.55–2.11) 1.17 (0.53–2.60)

Values are number (percent of subjects). a Subjects taking any medication for the risk conditions were also included. b Conditional logistic regression analysis investigating variables independently associated with the onset of ischemic heart disease. All variables together with age were forced into the model. OR indicates odds ratio; 95%CI, 95% confidence interval.

次に,これらの危険因子と年齢を独立変数として, 強制投入法による条件付き多重ロジスティック回帰分析を行ったところ,高血圧,耐糖能障害,高LDL-C血症,低HDL-C血症が有意な独立変数となり,その調整オッズ比 (95%信頼区間) は,高血圧:3.96 (1.82–8.59),耐糖能障害: 3.28(1.34–8.03),高LDL-C血症: 2.18 (1.03–4.61), 低HDL-C血症: 2.26 (1.03–4.97) となった.なお,高尿酸血症については有意な関連を認めなかった.

2.横断的研究

警察官と一般職員における年齢階層別の危険因子の保有状況を比較してTable 3に示した.まず,警察官での保有率をみると,肥満については,BMI,腹囲,体脂肪率ともに年齢階層が上がるにつれて基準値以上の割合が上昇し,特に,腹囲については30歳未満の群に比べて45–59歳の群で有所見率が約2倍に増加した.また,高血圧ではその傾向がさらに顕著であり,年齢階層が上がるにつれて有所見率が概ね倍増する変化がみられた.脂質および糖代謝の指標についてはそれぞれの変化は一様ではないものの,高TG血症,高LDL-C血症,耐糖能障害では,年齢階層の上昇とともに有所見者の割合が高くなっていた.高HDL-C血症,高尿酸血症については明確な年齢変化は認められなかった.

Table 3. Comparisons of traditional risk factors between police officers and office workers by age group
–29 yr 30–44 yr 45–59 yr Total
Police (n=131) Police (n=673) Office (n=69) Police (n=735) Office (n=84) Police (n=1,539) Office (n=153)
Age (yr) 27.4 ± 1.4 36.2 ± 4.0 37.6 ± 4.1** 53.4 ± 4.0 52.5 ± 4.4 43.6 ± 10.0 45.8 ± 8.6*
Obesity
 Body mass index (≥25 kg/m2) 34.4 45.2*** 23.2 46.7 22.6 45.0*** 22.9
 Waist circumference (≥85 cm) 35.9 51.3*** 26.1 66.7*** 42.9 57.3*** 35.3
 Body fat mass (≥20%) 67.7 73.2*** 42.0 71.0** 53.6 71.7*** 48.4
Hypertension
 Blood pressure (≥130/85 mmHg) 13.0 23.8 27.5 42.3 34.5 31.7 31.4
Dyslipidemia
 Triglycerides (≥150 mg/dl) 15.3 27.6 23.2 37.7 31.0 31.4 27.5
 HDL cholesterol (<40 mg/dl) 10.7 11.1 14.5 10.3 11.9 10.7 13.1
 LDL cholesterol (≥140 mg/dl) 15.3 28.2 17.4 33.1** 19.0 29.4** 18.3
Glucose introlerance
 Fasting blood glucose (≥110 mg/dl) 2.3 5.6 8.7 26.5 23.8 15.3 17.0
Hyperuricemia
 Uric acid (≥7.0mg/dl) 26.7 27.9 26.1 31.6 22.6 29.6 24.2
Number of risk factors a
 0 51.9 33.1 49.3 13.6 25.0 25.4 35.9
 1 30.5 34.3 27.5 27.6 33.3 30.8 30.7
 2 13.7 21.0 14.5 32.9 26.2 26.1 20.9
 3 3.8 9.7 4.3 20.4 11.9 14.3 8.5
 4 1.9 4.3 5.4 3.6 3.4 3.9
 Average 0.7 ± 0.9 1.1 ± 1.0 0.9 ± 1.1 1.8 ± 1.1** 1.4 ± 1.1 1.4 ± 1.1** 1.1 ± 1.1
Metabolic syndrome b 3.8 11.4 8.7 25.0 15.5 17.3 12.4

Values are mean ± s.d. and percent of subjects. p<0.1, ** p<0.01, *** p<0.001 by t-test and chi-square test (vs. office workers). a Number of risk factors indicates the sum of presence of abdominal obesity, hypertension, dyslipidemia, and glucose intolerance assessed based on Japanese-specific criteria of metabolic syndrome. b Metabolic syndrome was identified by the presence of abdominal obesity together with two of hypertension, dyslipidemia, and glucose intolerance.

続いて,警察官と一般職員で比較すると,肥満については,30–44歳,45–59歳の両群ともに警察官においてBMI,腹囲,体脂肪率の有所見率が有意に高く,特にBMIについては一般職員の約2倍となった.高血圧については,30–44歳の群では一般職員とほぼ同程度であったが,45–59歳の群では警察官の有所見率が高くなった.また,脂質代謝の指標やFBGおよびUAについても警察官の有所見率が高く,高LDL-C血症においては有意な差が認められた.

さらに,MetSの構成因子である腹部肥満,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害の個人内での集積状況をみると,警察官において危険因子を3個以上合併する者は,30–44歳の群では一般職員とほぼ同様に10%程度(11.6% vs. 8.6%)であったが,45–59歳の群では25%を上回った (25.8% vs. 15.5%).また,個人における各危険因子の平均集積数が有意に高値となり(1.8個 vs. 1.4個, p<0.01),MetSと判定される者の割合も一般職員に比べて高率となる傾向を示した(25.0% vs. 15.5%, p<0.1).

警察官と一般職員の間で勤務状況と生活習慣を比較してTable 4に示した.また,警察官のみを対象にMetS の有無別に比較した結果についても示した.警察官の勤務状況は,交替制勤務の割合が平均26.8%で全体の4分の1を占めていた.また,月80時間超の長時間勤務者が平均12.2%,近時3ヶ間の月当たり休日取得日数が3日以下の者は平均17.5%であり,いずれも若年層ほど割合が高い傾向にあった.また,警察官において比較した場合,MetS該当者においては交替制勤務者の頻度が有意に高くなっていた.

Table 4.  Comparisons of working condition and lifestyle between police officers and office workers by age groups
20–29yr 30–44yr 45–59yr Total Police
Police (n=131) Police (n=673) Office (n=69) Police (n=735) Office (n=84) Police (n=1,539) Office (n=153) MetS(+) (n=266) MetS(–) (n=1,273)
Working condition factors
 Shift work 27.1 24.7*** 4.3 28.6*** 7.1 26.8*** 5.9 33.6** 25.4
 Overtime work (>80 h/mo) 22.5 16.8*** 1.4 6.1 12.2*** 0.7 8.6 12.9
 Lack of holiday (<3 days/mo/past 3 mo) 26.4 21.7*** 4.3 12.0 8.3 17.5** 6.5 16.2 17.7
Lifestyle factors
Smoking status
 Current smoking 44.2 41.0 39.1 41.5 34.5 41.5 36.6 45.9 40.6
 Never smoking 48.1 44.7 53.6 33.6 46.4 39.7 49.7 36.1 40.4
 Past smoking 7.7 14.3 7.2 24.9 19.1 18.0 13.7 18.0 19.0
Alcohol drinking
 Heavy drinking (≥300 g/wk) 2.3 3.6 4.3 11.8 7.1 7.4 5.9 12.8** 6.3
 Binge drinking (≥60 g/time) 2.1 1.8 3.5 3.2 2.9 2.5 3.2 4.3 2.1
Regular exercise a 30.7 21.0 21.7 35.3 42.9 28.7 33.3 28.6 28.7
Dietary habits
 Breakfast skipping (≥3 times/wk) 27.6 20.1 29.0 13.1 8.3 17.3 17.6 16.9 17.4
 Snack intake after supper (≥3 times/wk) 24.4 16.7 20.3 13.5** 25.0 15.8* 22.9 15.8 15.8
 Supper just before sleep (≥3 times/wk) 39.4 36.5 44.9 25.3 26.2 31.3 34.6 30.5 31.5
 Fast eating 40.2 48.0* 31.9 45.6 35.7 46.2** 34.0 50.4 45.3
Sleeping condition
 Short sleep (<5 h/night) 3.9 4.2 2.9 2.9 7.1 3.5 5.2 3.0 3.6
 Lack of sound sleep 24.8 27.5** 43.5 44.1 53.6 35.2** 49.0 42.5** 33.7

Values are percent of subjects. a Regular exercise indicates moderate exercise for 30 minutes at least 2 times per week during the past one year or more. p<0.1, * p<0.05, ** p<0.01, *** p<0.001 by chi-square test and Fisher’s exact test.

続いて生活習慣の状況をみると,喫煙率については各年齢階層でほぼ同様に40%程度で一般職員との差もほとんどみられなかった.飲酒では,純アルコール量に換算して週に300 gを超える多量飲酒者は,30–44歳の群では僅かであったが(3.6%),45–59歳の群では10%を上回り,一般職員との差も大きくなった (11.8% vs. 7.1%).また,警察官のうち,MetSに該当する者では該当しない者に比べて, 多量飲酒者の割合が高率であり有意な差が認められた.食生活については,朝食欠食や就寝前の食事では一定の傾向はみられなかったが,警察官は一般職員に比べて早食いをする傾向が強く,30–44歳の群では有意な差が認められた.また,警察官では,睡眠時間が短く熟睡感がないとする者の割合が一般職員よりも低かったが,その中でMetSの有無別にみてみると,MetS該当者では非該当者に比べて熟睡感がない者の割合が有意に高くなっていた.

IV.考 察

本研究では,警察官において近年増加傾向にある虚血性心疾患に焦点をあて,まず症例対照研究によってその発症と関連する要因を検討した.その結果,従前から指摘されているように,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害が虚血性心疾患の発症に有意に関連することが明らかになった.また,警察官と一般職員とを比較した結果,警察官では年齢階層の上昇に伴う各種危険因子の有病率,またはMetS保有率の増加がより顕著であること,さらに警察官におけるMetSの発症には交替制勤務や長時間勤務などの特殊な勤務形態と,飲酒や睡眠の状態などの生活様式が関係していることが示唆された.

Framingham研究9),Honolulu心臓研究10),久山町研究11)といった国内外における多くの前向き疫学研究によって加齢,冠動脈疾患の家族歴,喫煙,高血圧,肥満,耐糖能障害,脂質異常症,身体的・精神的ストレスなどが虚血性心疾患の発症に影響を及ぼすことが明らかにされている.本研究では,警察官を対象に在職期間中に虚血性心疾患を発症した症例群と,年齢および階級をマッチングした対照群とを選定して検討を行ったが,症例群では発症5年前における高血圧,耐糖能障害,脂質異常症などの有病率が高率であり,虚血性心疾患の発症と関連していることが示された.高血圧は,脳卒中のみならず,冠動脈疾患の最も重要な危険因子であり,虚血性心疾患の発症に独立して寄与することや,その発症リスクに量依存関係が成立することが明らかにされている12).本研究でも,高血圧は虚血性心疾患の発症に最も強く関連しており,調整オッズ比は4.0倍となった.一方,高LDLおよび低HDLコレステロール血症が動脈硬化の強いリスクファクターであることは世界的なコンセンサスであり,酸化LDLに起因する動脈硬化の成因も分子レベルで解明されている13).本研究では,日本動脈硬化学会のガイドライン14)にしたがって,高TG血症,高LDL-C血症,低HDL-C血症により脂質異常症を評価したが,症例群では対照群に比べていずれの項目においても有所見率が高かった.また,高LDL-C血症と低HDL-C血症は独立の危険因子であり,その調整オッズ比はともに2.2倍となった.また,欧米の前向き研究で,糖尿病患者における虚血性心疾患の頻度が非糖尿病者よりも2–4倍高いことが明らかにされている15).さらに,わが国でも久山町研究11, 16)やJapan Diabetes Complication Study(JDCS)による調査17)で,糖尿病患者における虚血性心疾患の発症率がその他の因子を調整しても有意に高率であることが示されている.本研究の場合は,FBG110 mg/dl以上を耐糖能障害としており,糖尿病の未治療者も含まれるが,その調整オッズ比は3.3倍となった.職域集団を対象とした心血管疾患の危険因子に関する症例対照研究としては,厚生労働省作業関連疾患総合対策研究班によって企業従事者12万人を対象にした調査が行われている18).この研究では,3年間で冠動脈疾患を発症した94例について,企業での健診結果が10年前まで遡って調べられているが,発症群では性別,年齢,部署をマッチングした非発症群に比べて,肥満,高血圧,耐糖能異常,高コレステロール血症,高TG血症,高尿酸血症が有意に高いことが報告されている.また,対象者の属性や規模,各危険因子の基準値と有所見率などが異なるため単純な比較はできないが,虚血性心疾患の発症に対するオッズ比は,高血圧5.7倍,耐糖能異常3.4倍,高TG血症2.0倍,高TC血症1.8倍となり,本研究における発症リスクと概ね同様の傾向であった.

一方で,本研究においては,肥満と喫煙について虚血性心疾患の発症との関連はみられなかった.大規模集団を前向きに追跡したAmerican Cancer Society’s Prevention Studyでは19),BMIと心血管疾患死亡率との間に連続的な関係があることを認めている.一般に,肥満の指標としてはBMIが利用されているが,警察官はその職務の特殊性から一般成人よりも体格に優れている者の比率が高い傾向にある.筋肉量が多く除脂肪体重の占める割合が高い者では,BMIが必ずしも体脂肪量に比例しないことが知られており,警察官の場合はBMIが肥満を適切に評価し得ない可能性がある.また,喫煙は脳卒中や心疾患の明確な危険因子であり,虚血性心疾患の発症率および死亡率を高めていることは数多くの疫学研究で証明されているが11, 20, 21),今回の対象者における喫煙率は,症例群と対照群ともに約65%となっており,集団の特性として喫煙者の割合が高かったことが,虚血性心疾患の有意な関連因子として抽出されなかったひとつの要因と考えられる.

警察官における各種危険因子の保有状況に関する横断的調査では,警察官は一般職員に比べて, いずれの年齢階層においても肥満あるいは腹部肥満の頻度が有意に高いことが示された.また,30–44歳の年齢階層では明確ではないものの,警察官では加齢に伴う危険因子保有率の増加が一般職員よりも大きく,45–59歳の群では,高血圧,高LDL-C血症,高尿酸血症を中心に差違が認められた.内臓脂肪の蓄積を基盤として危険因子が合併した状態では, 心血管病の発症リスクが極めて強くなるとされているが22),血圧高値,脂質異常症,耐糖能障害の個人における集積数やMetS該当者の頻度をみても,警察官では45–59歳の年齢階層で一般職員よりも明らかに高値となった.さらに,腹部肥満については,30歳未満の群で36%,30–44歳の群で51%,45–59歳の群で67%と,その割合が高く,しかも年齢階層の上昇に伴って顕著に増加することが示された.したがって,腹部肥満の進行が危険因子の集積を招くことで, 集団としての虚血性心疾患の相対的リスクを上昇させていることも予想される.警察官を対象に心血管疾患の罹患率や死亡率を検討した研究は国内では見られないが,海外におけるこれまでの報告では,Sardinasら6)が米国コネチカット州の消防士と警察官を対象として調査したところ,これら2つの職域集団は他の職業に比べて虚血性心疾患による死亡率が高く,かつ警察官は消防士よりやや高かったことが報告されている.また,Kambleら2)は最もストレスが多い職業である警察官において,心血管疾患の危険因子有病率や2型糖尿病有病率が増加していることを明らかにしている.

今回,同一組織であっても,警察官では一般職員に比べ勤続年数の増加に伴ってより高い頻度で危険因子を保有または合併する傾向にあることが示された.この背景には様々な要因が関与しているものと考えられるが,その一つとして,警察官における特殊な勤務形態に起因した生活様式の歪みが影響を及ぼしているものと推察される.本研究では,警察官における交替制勤務者の割合が約25%を占め,一般職員の5%に比べて高率であるとともに,月80時間超の長時間勤務者や月当たりの休日取得日数が3日未満である者の割合も有意に高かった.警察業務は,24時間体制の治安維持,交替制勤務,緊急時の出動,拘束時間の長さからくる余暇活動時間の減少など,特殊な業務態様を余儀なくされる.このような勤務状況は不規則な生活様式につながり,MetSを促進させるリスクを上昇させているものと予想される.今回,一般職員との比較において生活様式の差違は明確ではなかったが,警察官のみを対象としてMetSの有無別に比較を行った結果,MetS該当者では交替制勤務の割合が高く,睡眠時間5時間未満の者の割合に差は認められなかったものの,熟睡感がないとする者が有意に高くなっていた.睡眠不足や質の低下は,交感神経活動の亢進を招き血圧の上昇をもたらすことや,免疫系の活動を介して動脈硬化を促進すること,コルチゾールの分泌亢進がインスリン抵抗性を招き糖尿病を引き起こすリスク要因となることが示唆されており23),24時間治安維持に伴う夜間の労働負担や, 不規則な睡眠が危険因子の発現に関与している可能性が推察される.

MetS保有者では,純アルコールに換算して週に300 g (15合)以上の飲酒,または1回60 g (3合) 以上に及ぶ, いわゆる多量飲酒者の割合も高くなっていた.多量飲酒が高血圧を招くことや,危険因子の増悪,肝障害をもたらす可能性があることが知られている24).警察官では一般職員に比べて割合は必ずしも高くなかったものの,多量飲酒の傾向が強い者ではMetSを発症するリスクが高いことが示された.先行研究では,多量飲酒者の頻度の多さは警察特有の事柄であり,うつ病,アルコール依存症,精神疾患,自殺との関連も指摘されている25).また,警察官には独特の職業性ストレスが存在し,その対処法の一つとして過度に飲酒する傾向がみられることも示唆されている26)

前述したように,警察官は極めて特殊な任務を担っており,Fredericら5, 25)は,警察官における守秘義務,トラウマティックな出来事への日常的な曝露,長時間勤務による私生活設計の困難性など,身体的にも精神的にも多様なストレスに曝されることを指摘している.職業性ストレスが虚血性心疾患の発症に関与する要因の一つであることは,欧米を中心に数多くの報告がある27).また,A型行動パターン(仕事中心生活,競争心が強い,積極性など)が冠動脈疾患の進展および冠動脈粥状硬化症に関わることも示唆されている28).本研究では,高血圧,脂質異常症,耐糖能障害といった既知の危険因子やMetSに焦点をあてて解析を行ったが,今後は,精神的ストレスや行動特性なども含め,警察官における虚血性心疾患のリスクに関連する要因について検討する必要があると考える.

本研究では,警察官において,高血圧,耐糖能障害,脂質異常症などの既知の危険因子がその後の虚血性心疾患の発症と関連すること,また,警察官では,加齢に伴うこれら危険因子の保有率およびMetS該当者の増加が顕著であり,交替制勤務や長時間勤務など特殊な勤務形態とそれに起因する不規則な生活様式が関係する可能性が示唆された.しかしながら,本研究は比較的規模の小さなA県警察を対象集団としたものであるため,研究成果のすべてをわが国の警察組織に適用することはできない.本研究では,同一組織である条件を優先したことから,警察に勤務する一般職員を比較対照群に設定したが,条例定数上,警察官と一般職員の割合は9対1であるため,必然的に例数に大きな差異が生じることになり,このことが解析結果にある程度影響を与えた可能性があることは否めない.また,一般職員における腹部肥満の有所見率は30–44歳の群で26%,45–59歳の群で43%となったが,東京都予防医学協会が健診受診者約15万人を対象に集計した報告29)では,同じ年齢階層での有所見率がそれぞれ34%と48%であった.したがって,本研究の一般職員では腹部肥満の出現頻度が相対的に低い傾向にあり,この点についても結果の解釈において考慮すべきと考えられる.なお,本研究では肥満の評価として体脂肪率も測定したが,使用した測定装置の精度について検証を行っておらず,測定値の妥当性が十分でない可能性もある.さらに,一般職員は警察官とは業務形態を異にするものの,一部に当直などの警察官の職務を補助する業務に従事する者が含まれることから,通常の一般行政職員などとは必ずしも属性が同様であるとはいえない.今後,別の職域における属性の異なる集団も比較対照群に含めた検討を行うことで,警察官に特異的な特性や傾向,あるいは精神的側面も含めた危険因子の抽出が可能となると考えられる.また,本研究では警察官における年齢階層による各種危険因子の保有率を横断的な資料から解析したが,縦断的な追跡に基づく検討を行うことが必要であると考えられる.

V.結 論

A県警察では,警察官における虚血性心疾患の発症に対しては,高血圧,耐糖能障害,脂質異常症などの既知の危険因子が関連していた.また,警察官では,勤務年数の経過にしたがって,各種危険因子の保有率やMetS該当者の頻度が同一組織に所属する一般職員よりも顕著に増加する傾向にあった.その背景としては,交替制勤務や長時間勤務など特殊な勤務形態とそれに起因する不規則な生活様式が関係する可能性が示唆された.さらに,警察官業務においては,日常的に潜在的な身体的,精神的ストレス要因に曝されているものと推察された.今後は,職業性ストレス,あるいは個人の行動特性を含め,警察官における虚血性心疾患発症に影響を及ぼす要因を多面的に検索し,リスク低減に向けた対策に繋げていくことが必要であると考えられた.

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