山陽論叢
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中学生男子ソフトテニス部員における練習時の水分補給状況と生理的指標の変化
國本 あゆみ伴 みずほ影山 智絵菊永 茂司
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2018 年 24 巻 p. 133-140

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抄録

【目的】長時間運動時の発汗による脱水は、体温の上昇を引き起こし、競技力の低下のみならず、熱中症をも誘発する。脱水の予防には、適切な水分補給が重要である。そこで、対象者の望ましい水分補給の方法を検討することを目的に、本研究ではそのベースとなる水分補給の現状および生理学的変化について調査を行うことにした。 【方法】対象は、同意の得られた中学生男子ソフトテニス部員11名(年齢13.82(0.98)歳)とした。調査当日の練習時間は午前3時間、午後3時間で、水のみの自由摂取とした。調査項目は、身長、体重、体温、脈拍、血糖値、乳酸値、水分補給量、および疲労度(アンケート調査)である。調査は、午前の練習時間前後、午後の練習時間前後および練習終了後の60分後、120分後、就寝前、翌朝の起床後の計8回とした。 【結果】水分補給率は平均95.1(12.6)%であり、95%未満の者が7名であった。練習後の疲労度は、水分補給不足群において高い傾向があった。また、練習直後よりも練習後120分経過後に疲労の自覚症状や乳酸値の上昇が現れる傾向があった。 【結論】練習時の水分補給状況について調査した結果、口渇感による自由摂取では、発汗量を補えるほど十分に水分補給が出来ていないことが明らかとなった。本研究で得られた結果をベースに、給水の量やタイミングなどを検討し、選手の疲労の軽減につながるような給水方法を提案していきたい。

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© 2018 山陽学園大学・山陽学園短期大学
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