山陽論叢
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地域在住高齢者の閉じこもりリスクについて
最近10年間の文献検討
中木 里実
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 26 巻 p. 17-28

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抄録

本研究の目的は、文献検討を通して閉じこもりの研究の動向を概観し、要介護の予備軍としての地域在住高齢者の閉じこもりのリスク要因について明らかにすることである。文献検索は、医中誌Web版を使用した。「地域」、「高齢者」、「閉じこもり」をキーワードとして3つすべてを含むことを条件に検索し、原著論文のみを対象とした。検索年数は2008年から2018年の10年間に発表された論文とした。論文のテーマと抄録および本文を精読し内容が本研究の目的に合致した論文は10件であった。閉じこもりに影響を与えるリスク要因は様々であったが、独立した一つのリスクのみではなく多様な要因が複合的に影響している。このことから個々の独立した影響を捉えるためには、十分な対象者数に対して実態調査の必要性が示された。さらには閉じこもりを含めた地域在住高齢者への介護予防支援については、閉じこもり高齢者の心身の状況だけではなく、家族の認識、地域の価値観等への具体的な働きかけを検討していく必要性があると考えられる。さらには、社会的孤立になる過程としての閉じこもり現象を明らかにするには至っていない。今後は閉じこもりの社会的孤立、ひいては孤立死への過程を探索する研究をすすめていく必要が示唆された。

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© 2020 山陽学園大学・山陽学園短期大学
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