抄録
ハウス暖房の加温ボイラーの燃料の重油を地域資源である木質チップで代替するため,バイオガス発電の余剰排熱等を利用してチップを燃焼利用前に効率的に乾燥することを想定し,スギ生木切削チップの静置通風乾燥する基礎試験および実規模試験を行った。
0.1 m3 規模の基礎試験では,堆積高さ30 cm,送風量14.2 L/s,送風温度95 ℃の条件で210 minで乾燥でき,送風量および送風温度が一定の条件では乾燥に要する時間は堆積高さに比例することが明らかになった。1 m3 の実規模試験からは,送風温度100 ℃で乾燥時間は580 minであった。自作した乾燥ベースと簡易堆肥器を組み合わせて木チップの乾燥が実用的に行えることが明らかとなったことから,乾燥ベースと組み合わせて使用する市販の簡易堆肥器を改良した送風乾燥用耐熱フレコンを試作した。この耐熱フレコンでの乾燥時間は,送風温度100 ℃で14.5 hになると推定する。