農業施設
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バイオマスボイラーによるハウス暖房システムの開発
竹倉 憲弘 山下 善道金井 源太薬師堂 謙一安 東赫
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2018 年 49 巻 1 号 p. 24-30

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抄録
施設園芸におけるハウス暖房に使用される化石燃料を木質バイオマスで代替するとともに,地域資源である木質バイオマスの利活用を促進することを目的として,ロータリーキルン式バーナーを核としたバイオマスボイラーにより燃焼熱を温水に変換して温風暖房するハウス暖房システムの実証実験を行った。 ロータリーキルン式バーナーの熱風温度は700 ℃前後で,キルン内での溶融の問題は発生せず,5時間15分の燃焼で使用したペレットは65.6 kgであった。定格50 %の燃料供給で5.5時間で約80 ℃の温水を製造でき,熱交換器で燃焼熱から温水に交換された熱量は935 MJで,熱効率は84 %であった。17時半前から翌朝9時半ごろまでハウスの暖房を行って,ハウス内気温は暖房設定値の±1 ℃以内の精度で制御することができ,総放熱量は840 MJであった。本システムは温水タンクを備えたバイオマスボイラーによる暖房システムで,小型のバーナーでハウス暖房が可能である。本システムの設備単価は,kW 当たり7万円程度である。木質バイオマスの燃焼による熱量をできるだけ無駄にしないために,今後はより適切な燃焼や温水循環の制御方法を確立していく必要がある。
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