農業施設
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バイパス流の流量計への応用
ララフィ マハメッド西山 壮一河野 広弥永 孝一
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1996 年 26 巻 4 号 p. 197-203

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抄録
マイクロかんがい施設において, 流量のモニターリングのための低コストの流量計の開発を試みた。市販の曲がり管20mm~50mmについて, 水理特性を実験的に明らかにした。ある条件下では, バイパス流量と主管の流量の比が一定となることがわかった。各々の, 曲がり管について, 曲がりの内側と外側で圧力を測定し, 流量との関係を求めた。さらに, 曲がりの内側と外側を結ぶバイプス流の流量と主管の流量との関係を調べた。その結果, バイパス回路に摩擦損失より著しく大きい水理抵抗体を設置すれば, バイパス回路の流量と主管の流量は比例することが明らかとなり, 誤差は, バイパス回路の流量計のそれによる。各々の流量が比例すれば, キャリブレーションおよび流量測定が容易である。このことは, 流量計として, 用いる場合の大きな長所である。
主管の流量測定に比べ, バイパス流の流量測定は, 通常, 主管の損失水頭は小さい。また, バイパス流の流量は, 主管の流量に比べ, 著しく小さい (本研究の例では, 管径: 30mm, オリフィス径: 10mmの場合, 1/20程度) ので, 主管の流量を測る流量計にくらべ, バイパス流の流量計は, 一般に小型であり, 低コストとなる。
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