農業施設
Online ISSN : 2186-0122
Print ISSN : 0388-8517
ISSN-L : 0388-8517
26 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 守谷 栄樹, 松井 鋳一郎, 三輪 精博, 後藤 清和
    1996 年26 巻4 号 p. 187-196
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    樹木の環境保全機能を重視した植林や都市緑化を検討する場合, できる限り良質な苗木を生産する技術が必要となる。本報では, 公益機能への関心が高まっている広葉樹であるクスノキに着目し, 夏期 (8月) から冬期 (1月) にわたりビニルハウス内で, 光強度および土壌水分が異なる環境下での稚苗の成長特性を調査した。
    試験期間中の個体乾物重, 葉面積, 葉乾物重の経時変化は, 単純ロジスティック曲線によって近似できた。被陰環境条件下 (相対光量子量が約29%) では, 乾物生産量, 絶対成長率, 相対成長率 (RGR) がいずれも増大した。これはクスノキ苗固有の特性と考えられる。この場合, 一定の成長を維持するため, 光合成によって生産された同化産物を葉へ積極的に分配し, 地上部成長を盛んに行った。さらに, 成長解析の結果, クスノキ稚苗は被陰環境条件に対して, 葉肉厚を薄くして葉面積を拡大するという回避的な順応様式をとることがわかった。また, 低土壌水分条件下では, RGRは低下した。この場合, 地上部成長を抑えて根の割合を増加させるという耐忍的な順応様式をとることが確認された。
  • ララフィ マハメッド, 西山 壮一, 河野 広, 弥永 孝一
    1996 年26 巻4 号 p. 197-203
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    マイクロかんがい施設において, 流量のモニターリングのための低コストの流量計の開発を試みた。市販の曲がり管20mm~50mmについて, 水理特性を実験的に明らかにした。ある条件下では, バイパス流量と主管の流量の比が一定となることがわかった。各々の, 曲がり管について, 曲がりの内側と外側で圧力を測定し, 流量との関係を求めた。さらに, 曲がりの内側と外側を結ぶバイプス流の流量と主管の流量との関係を調べた。その結果, バイパス回路に摩擦損失より著しく大きい水理抵抗体を設置すれば, バイパス回路の流量と主管の流量は比例することが明らかとなり, 誤差は, バイパス回路の流量計のそれによる。各々の流量が比例すれば, キャリブレーションおよび流量測定が容易である。このことは, 流量計として, 用いる場合の大きな長所である。
    主管の流量測定に比べ, バイパス流の流量測定は, 通常, 主管の損失水頭は小さい。また, バイパス流の流量は, 主管の流量に比べ, 著しく小さい (本研究の例では, 管径: 30mm, オリフィス径: 10mmの場合, 1/20程度) ので, 主管の流量を測る流量計にくらべ, バイパス流の流量計は, 一般に小型であり, 低コストとなる。
  • 乾燥ドラム内の汚泥の挙動と排出および乾燥過程
    東城 清秀, 渡辺 兼五, 藍 房和, Allen C. CHAO
    1996 年26 巻4 号 p. 205-210
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    太陽熱の利用効率を高めるためには, 乾燥ドラムから汚泥を押出して乾燥することが有効であることを踏まえて, 試作した汚泥乾燥装置の乾燥ドラム内での汚泥の挙動と排出過程およびその乾燥過程について検討した。ドラム内の汚泥の挙動を説明するため, ドラム内壁と汚泥との摩擦と滑りについて力学的な解析を試みた。また, アクリル製の透明回転ドラムに汚泥を入れて, ドラム内での挙動を観察するとともに, ドラムに穿孔した小孔の直径やドラム回転速度を変化させて, ドラム小孔から押出される汚泥の排出量に対する影響について検討した。さらに, 排出される汚泥の乾燥特性を調べて, ドラム小孔の寸法について汚泥の排出量と乾燥速度との観点から考察した。
  • サイロ貯蔵時の環境計測
    三輪 精博, 後藤 清和
    1996 年26 巻4 号 p. 211-217
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    カントリエレベータではサイロで籾貯蔵が行われるため, 品質の維持には問題がないものと考えられている。近年, 米の需給の不均衡によりサイロ内での貯蔵が長期間となり, 特に夏期に及ぶ場合は品質の維持に不安がある。通常, サイロには中心部に5~6個の温度センサーが設置され穀温が監視されているが, 周辺部の温度は不明である。そこで, 愛知県内の施設を選び, サイロ内の種々の位置における穀温の変化等の貯蔵環境を約9ヶ月にわたって計測を行った。また, 計測値より貯蔵中穀粒の積算温度を求め, サイロ内の位置と品質劣化の関係を検討した。
feedback
Top