複雑な形態を有する農産物の外観, 内部構造および色彩分布等を観察し, その形態に関する定量的情報を得るための計測装置として,「マイクロスライサ画像処理システム」を開発した。ブロッコリーを測定対象として本システムの有効性を検討した結果, 本システムは対象とする試料を連続的に切削して露出した断面の画像から3次元画像を再構築し, 外観や任意切断面の内部構造・色分布を任意方向から観察できる機能を有することが確認された。
また, ブロッコリー個体から分割した試料を厚さ30μmでスライスして得られた断面画像の周囲長や面積等の定量的2次元情報に基づき, 個体質量から表面積, 比表面積および体積を推算する方法を提唱した。これらの結果, 本システムは従来不可能であった複雑な形態を有する農産物の形態を定量的に計測する新しいシステムとして有用であることが検証された。