農業施設
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28 巻, 1 号
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  • 黒須 和代, 前川 孝昭, 阿部 充
    1997 年 28 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    酢酸を基質とするメタン発酵を10Lの発酵槽を用いて, pH7前後, 温度35℃で馴養した中温メタン菌を用い, 温度を25, 20, 15, 10, 5℃に, 有機酸負荷量を2.0, 1.0, 0.5g/L/dにそれぞれ変化させ, 水理学的滞留時間 (以下HRT) を20日間としたメタン菌の馴養を試みた。これによってメタン菌の温度に対する最適有機酸負荷を得た。実用規模の1/1500プラグフロー型2相式メタン発酵装置 (全容量44L) を試作し, メタン発酵実験装置内の流体の可視化実験を行いメタン発酵装置内への原料投入位置を決定した。その後, 中温メタン菌を用いた豚糞尿によるメタン発酵実験を行った。メタン発酵槽内温度を11.5~15.0℃に設定し, 外気温度を8℃前後に保ち, 冷蔵庫内に試作したメタン発酵装置を入れ, 底部に設定した電気ヒータによる加温を行い, 発酵槽内温度を11.5~15.0℃に保持した。スタートアップ時はメタン発酵槽内温度を14.0~18.0℃として開始したところ, 植菌後10日目にガス発生が見られた。中温メタン菌の馴養による低温メタン発酵は, 可能であることが確認できた。
  • 全周囲画像収集システムの開発とリンゴ障害果の検出
    中野 和弘, 滝沢 憲一
    1997 年 28 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    選果場において人間の目で行われているリンゴ果皮色の等級選別に替わって, 画像処理法とニューラルネットワークにより再現する方法を検討した。本研究では, リンゴの全周囲にわたる分割画像を1枚の展開図に合成する全周囲画像収集システムを開発し, この画像を用いて2つのニューラルネットワークの導入を検討した。果皮色分類ネットワークでは, 5×5画素の単位画素群を「正常」,「損傷」,「着色不良」,「つる」,「背景」に分類できた。また等級選別ネットワークを用いて全周囲画像の等級選別を行った結果,「特秀」および「格外」,「損傷果」の判別率は高く,「秀」および「優」の等級判別率はやや低かった。損傷果の検出には, 効果演色ランプが有効であった。
  • 都 甲洙, 相良 泰行, 工藤 謙一, 横田 秀夫, 樋口 俊郎
    1997 年 28 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    複雑な形態を有する農産物の外観, 内部構造および色彩分布等を観察し, その形態に関する定量的情報を得るための計測装置として,「マイクロスライサ画像処理システム」を開発した。ブロッコリーを測定対象として本システムの有効性を検討した結果, 本システムは対象とする試料を連続的に切削して露出した断面の画像から3次元画像を再構築し, 外観や任意切断面の内部構造・色分布を任意方向から観察できる機能を有することが確認された。
    また, ブロッコリー個体から分割した試料を厚さ30μmでスライスして得られた断面画像の周囲長や面積等の定量的2次元情報に基づき, 個体質量から表面積, 比表面積および体積を推算する方法を提唱した。これらの結果, 本システムは従来不可能であった複雑な形態を有する農産物の形態を定量的に計測する新しいシステムとして有用であることが検証された。
  • インド型米および日本型米における米飯の粘着性
    清水 直人, 木村 俊範, 大坪 研一, 前川 孝昭, 吉崎 繁
    1997 年 28 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1997/06/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    インド型米および日本型米における米飯のねばりの特徴を明らかにすることを目的とした。一粒米飯-プローブ界面の剥離特性を調査し, これにより定めた試験条件でインド型米および日本型米の粘着力を測定した。日本型米の粘着力は, インド型米の粘着力に比して高く, 日本型米において品種間差異を認めた。さらに炊飯液の固形物の濃度の増加とともに粘着力が増す傾向から, 固形物の濃度や性質が米飯の粘着力に大きく影響することが分かり, この手法に基づく米飯の粘着特性を指標とした日本型米の特徴の数量化の可能性が示唆された。
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