抄録
培養液のpHは植物の生育や培養液の組成変化に影響を及ぼすことから, 養液栽培の安定性にとって大きな意味をもつが, 培養液pHの調節は容易ではない。そこで本研究では, 培養液自体にpH緩衝能を付与するため鉱物の有する陰荷電に着目し, pH緩衝能やイオン交換反応が期待できる石英斑岩の特性に基づき, 効率的な水処理システム (HITEC-型と称す) について検討した。その結果, アルカリの添加に対しても培養液pHの急激な変化は見られず, ほぼpH=7で安定した。またECの減少も認められなかった。