抄録
植物工場のような人工環境下では, 無数にある環境要因の中から, 植物に大きな影響を与える環境を選定 (スクリーニング) することが有用であろう。その方法の一つとして, 人工的に様々な環境条件を作り, そこで栽培された植物に発現するタンパク質を比較するという, プロテオーム研究とは逆方向からのアプローチも考えられる。本研究では, まず試行的に, 白色光と黄色光の2つの異なる光環境条件にてペチュニアを栽培し, 葉のタンパク質の2次元電気泳動を行った。その結果, 白色光と黄色光での泳動結果に違いを散見することができた。ただし, 本方法を確立していくにあたっては, 複数の異なるサンプルがいつも同じ条件で抽出・分離・泳動できる, 比較可能な実験プロシジャを確立することがまず必要であると考えられた。