抄録
製炭工程における窯内温度変化と熱収支を明らかにし, 未利用エネルギーとして放出される熱量を算出した。研究対象地は, 新潟県南魚沼郡湯沢町旭原福祉工場とした。同施設の炭窯において, 生産性が高く炭化温度の高い白炭窯の温度測定を行った。白炭製造では, 窯内での炭化に1日をかける日落し窯法と, 2日をかける中二日窯法があり, 本研究ではこの2種類の製炭方法における利用可能熱量を検討した。総出熱量のうち約50%が排熱として窯外に放出されていた。日落し窯法における単位時間当たりの利用可能熱量は, 中二日窯法の約1.7倍であった。しかし, 木材投入量に対する熱収支を計算した結果, 中二日窯法の方が効率よく熱回収できることがわかった。これらのことから, 各製炭方法における利用可能熱量が明らかになった。