無攪拌状態で進行する容器内コンポスト化プロセスを対象に, 有機物量, 水分, 温度の3変数の不均一性に着目した確率論モデルを作成した。実験による温度
Tの空間的不均一性を基にして算出した確率論的量子 (濃度の離散的変化の単位量)εの値を用いて, モデルシミュレーションによって見積もられた有機物と水分の標準偏差は実験結果とほぼ一致し, モデルの妥当性が確かめられた。また, モデル計算により, 攪拌なしのコンポスト化プロセスでは, 容器の断熱が十分なとき, プロセスが成立する範囲内であれば通気量はできるだけ小さい方がεの値が小さくなり, 状態変数の空間的不均一性は小さくなるものと思われた。一方,εが大きく不均一性が過大な場合はコンポスト化が良好に進まない可能性が高くなることが理論的に予測された。
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