農業施設
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パイプハウスの風圧係数と妻面開口部の影響に関する風洞実験
森山 英樹佐瀬 勘紀植松 康山口 智治
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2008 年 38 巻 4 号 p. 237-248

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抄録

一般建築物に比べて複雑な形状を有するパイプハウスの風圧係数を求めるために, 乱流境界層中に設置した縮尺1:20の模型に関する風洞実験を行った。模型の間口に対する桁行長さの比は8.3であり, これは従来の風洞実験で使用されてきた模型に比べて大きい。風圧係数の分布は, 風向0°(間口方向) から90°(桁行方向) まで, 5°間隔の風向において測定した。風向0°に関する風圧係数を, 従来の設計基準における両屋根型温室および円弧屋根温室の風圧係数と比較し, 両者における風圧係数分布の違いを明らかにした。また, 風圧係数の分布は風向に大きな影響を受け, 風圧係数の最小値-3.5は, 風向25°における妻面近傍の屋根上で生じた。外圧係数および内圧係数に対する妻面開口部の影響も調べた。その結果, 妻面開口部は, 外圧係数に殆ど影響を与えない一方で, 内圧係数に対する影響は大きかった。風向0°の時, 内圧係数の最小値は-0.9であり, 風力係数を正の値に大きく移行させた。内圧係数は風向にも影響を受けた。風向が90°の時に, 内圧係数は, 風下側の開口部がある場合の-0.2から風上側に開口部がある場合の+0.5まで分布した。

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