リニアクレーンによる切り返し装置にアンモニア回収装置を装備した吸引通気式堆肥化処理施設において, 堆肥化過程におけるアンモニア揮散の低減化とアンモニアの回収効果について検討した。
木質チップが充填された直径300mmの通気口 (吸引口) を堆肥原料底部に1.5m間隔でスポット的に配置する配管方法であれば, 通気口は閉塞しにくく, 堆肥原料の有機物分解や水分蒸発が促進された。この配管方法を採用した吸引通気式堆肥化処理では, 堆肥原料表面からのアンモニア揮散量が低減された。すなわち, 圧送通気方式では堆肥原料表面から堆肥原料中全窒素量の9.6%がアンモニアとして揮散したが, 吸引通気方式では, この揮散量の9割をアンモニア回収装置で回収でき, 残りの1割はれき汁やドレイン中に含まれていた。