日本化粧品技術者会誌
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特集総説 乳化技術の基礎と進化(6)
リン脂質の化粧品への応用
紺野 義一
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2011 年 45 巻 2 号 p. 83-91

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抄録
本総説では,リン脂質の素材および乳化剤としての特性,微細O/Wエマルション製剤,リン脂質から形成される分子集合体を利用した製剤について解説した。化粧品素材としては,天然由来であるため,分子構造を制御して化学的安定性を確保する必要がある。リン脂質の構成成分であるPC,PE,PI,のバランスを調整することで有用な乳化剤としての機能を発揮し,さらにノニオン界面活性剤を併用して多価アルコールを利用することで,100nm以下の微細O/Wエマルションを調製することができる。また,水溶液中でラメラ構造を形成しやすい特性を応用したリポソーム製剤やシート状ラメラゲル製剤は特異的な物性を備え,肌効果の高い製剤である。
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© 2011 日本化粧品技術者会
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