2013 年 47 巻 3 号 p. 221-225
ヒトの皮膚の色はメラニンの量によってほとんど決定されている。メラニンは黒色色素のユーメラニンと黄色色素のフェオメラニンの2つに大別される。美白化粧品素材の開発を行う上で,総メラニン量だけでなくユーメラニンとフェオメラニンを区別することは重要である。液体クロマトグラフィー (HPLC)を用いることにより,ユーメラニンについてpyrrole-2, 3, 5-tricarboxylic acid (PTCA),フェオメラニンについてaminohydroxyphenylalanines (AHPs)をマーカーとして各メラニンを別々に定量できる。そこで本研究では,従来のHPLCによる各メラニン定量法について,測定条件をイオンペア試薬を用いて改変し汎用性を向上した。選択したHPLC条件について分析法バリデーションを行った結果,いずれの成分も直線性を示し保持時間の再現性も良好であった。