抄録
これまでに顔のたるみの定量的測定方法として,二次元解析,三次元解析が報告されているが,それぞれ,測定点の三次元的な移動距離を顔の奥行きを反映して直接的に測定できない,あるいはたるみ量の定義が困難であるといった理由から,たるみの絶対量を測定することができなかった。そこで,二次元解析法のもと,顔の奥行きや頬の膨らみ等を反映した測定法の開発を試みたところ,同心円状の目盛付シールを用いることで安価で簡便に測定点の三次元的な移動距離,つまりたるみの絶対量を測定することが可能となった。本法を用いた女性頬部の解析の結果,20~50歳代全年代を通して顔面中央部よりもフェイスライン側のたるみ量が多く,このフェイスライン側のたるみがほうれい線の形成に深く関与している可能性が示唆された。また,長期製剤塗布の結果,目視のほうれい線スコアでは改善効果は認めなかったが,本法ではフェイスライン側下方のたるみ量の有意な改善を認めたことから,本法は化粧品のわずかなたるみ改善効果をも感度良く捉えることが可能だと見受けられた。