抄録
われわれは化粧持続性を高める油剤としてパーフルオロアルキル変性シリコーン(以下,FSO)を開発し,これまでに多くの化粧品に応用してきた。FSOは常温で液体の化合物であるため,使用感は優れているものの,肌の残存性と耐皮脂性は必ずしも十分ではなかった。そこで,FSOと併用することで肌の残存性と耐皮脂性を高める新規フッ素変性シリコーンワックスの開発を行った。パーフルオロアルキル基(以下,Rf基)の炭素数とアルキル基(以下,Rh基)の炭素数を固定し,導入比率を変えたワックスとFSOから成るオイルワックスゲルを調製してスクワランに対する接触角を調べたところ,特定の比率にすると著しく接触角が高くなることを見出した。オイルワックスゲルの中で,ワックスのRf基とRh基が互いに結晶成長を抑制することで微細な結晶構造を形成し,FSOが結晶格子の内部に保持されやすくなり,接触角が高くなったと考察した。高い接触角を示したRf基・Rh基共変性シリコーンワックス(以下,FSW)をリキッドファンデーションへ応用したところ,Rf基のみの変性シリコーンワックスに比べて化粧持続性が向上していることを確認した。