日本化粧品技術者会誌
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原著
新規水溶性ラウロイルリジン誘導体の物理化学的評価と化粧品用途への応用
小林 瞬飛田 和彦押村 英子
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2018 年 52 巻 2 号 p. 92-98

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抄録

アミノ酸系機能性粉体であるNϵ-ラウロイルリジンは,優れた滑沢性・撥水性を有し,メイクアップ化粧料をはじめ,幅広い化粧品に配合されている。しかし,Nϵ-ラウロイルリジンは,水にも油にも難溶性であるため,スキンケア商品や液体洗浄料などの液体剤型に対し,安定に配合することが難しかった。本研究では,Nϵ-ラウロイルリジンの特長を維持しつつ,液体化粧料への配合を容易とすることを目的とし,水溶性Nϵ-ラウロイルリジン誘導体の合成検討を行った。結果,2分子のNϵ-ラウロイルリジンとセバシン酸から形成されるジェミニ型誘導体は,pH7以上のアルカリ性領域では水に可溶であるものの,弱酸性~中性領域で水をゲル化させるというユニークな特長を有していた。なお,TEM観察の結果から,ジェミニ型誘導体は自己集合体化により繊維構造を形成し,ゲル化能が発現していることが示唆された。また一方で,ジェミニ型誘導体と特定の添加剤を組み合わせることにより,マルチラメラベシクルを形成することを見出した。本稿では,これらの詳細な検討と化粧品用途への応用について報告する。

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