2019 年 53 巻 4 号 p. 260-270
ヘアカラーは,酸化染料中間体を酸化剤によって酸化重合させながら毛髪染色を行う方法が一般的である。一方,酸化剤を用いることで毛髪を構成するキューティクルやコルテックスに損傷を与えてしまうことがしられている。さらに酸化染料中間体によるアレルギーも報告されている。本研究では,あらかじめ酸化染料中間体を酸化重合させた酸化染料(二環体インド染料)を合成し,酸化染料を混合したクリーム基剤を用いて毛髪染色を行い,その染毛料の機能性を確認した。機能性は,視覚および触覚による官能評価と,毛髪からのたんぱく質溶出試験,毛髪のつや測定,摩擦測定,圧縮試験などで評価した。その結果,酸化染料を含有する染毛料は毛髪へダメージを与えず染色することを可能にし,毛髪につや感,滑らかさ,柔軟性を与えることが明らかとなった。酸化染料を用いた染毛法は,毛髪に新たな機能性を付与することから,その特徴を活かした染毛料の発展が期待される。