日本化粧品技術者会誌
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短報
化粧品使用時の感情と意識の変化
佐藤 智穂
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2020 年 54 巻 4 号 p. 351-357

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抄録

化粧品が心に与える影響について,化粧品の種類による違いに関する詳細な検討は見あたらない。そこで,本研究ではスキンケアとメイクアップの計10種類の化粧品使用時の気持ちについて,20~44歳の日本人女性2340名を対象にインターネット調査を実施した。覚醒度の高低で異なる「感情」の「安静爽快」「快活高揚」と自意識の違いを示す「意識」の「内向」「外向」に関して,先行研究と同様にスキンケア製品では「安静爽快」,メイクアップ製品では「快活高揚」「外向」が感じられた一方で,乳液・クリームは「安静爽快」が低く,メイク落とし・クリームは「内向」が低く,美容液は「快活高揚」「外向」が高く,化粧下地・ファンデーションは「快活高揚」が低いというように種類による違いが示された。また,スキンケアでは,朝は「快活高揚」,夜は「安静爽快」と「内向」が感じられ,朝と夜で関わる感情や意識が異なることが明らかとなった。

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© 2020 日本化粧品技術者会
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