日本化粧品技術者会誌
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ジグルコシル没食子酸とカチオン性界面活性剤混合系のダメージ毛に対する作用解析
増田 有紗今田 浩石黒 正雄戸堀 悦雄
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2020 年 54 巻 4 号 p. 358-363

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抄録

毛髪はダメージを受けると表面の疎水性,強度,弾性が低下することがしられている。われわれはダメージ毛に,ジグルコシル没食子酸(以下,DGA)とカチオン性界面活性剤であるトリメチルステアリルアンモニウムクロリド(以下,STAC)の水溶液を用いて上記3つの物性値変化を検証した。その結果,DGAとSTACを用いた場合,ダメージを受けていない毛髪と同等値までその値が回復することが明らかになった。これらの物性値変化に対し,DGAおよびSTACが作用する毛髪部位を明らかにするため,飛行時間型2次イオン質量分析法(ToF-SIMS)および走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて解析を行った。その結果,DGAおよびSTACはキューティクル表面およびキューティクル層へ作用していることが示唆された。

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