日本化粧品技術者会誌
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原著
短期間による肌表面状態の改善を実現するタンジブルなスキンケア技術の提案
度会 悦子吉竹 広記久米 卓志内藤 智橋本 雅俊田中 由浩五十嵐 崇訓
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ジャーナル 認証あり

2021 年 55 巻 3 号 p. 271-280

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抄録

本研究では,スキンケアを通じたお客様の生活質(Quality of Life: QOL)向上を目的とした“Tangible Skincare:タンジブルスキンケア”の提案を行う。スキンケアによるQOL向上を実現するためには,従来の肌状態の改善に加えて,お客様の生活場面での実感を考慮して製剤設計を行うことは不可欠である。そこで,近年増加している多忙な女性に着目し,彼女たちの肌状態の特徴観察を行った。その結果,彼女たちの9割以上で,微細な肌表面の荒れである“鱗屑”があることがわかった。さらに,この鱗屑が“化粧のり”(化粧塗布時に実感する化粧料の付着とパフの滑り)を悪化させ,彼女たちのQOLの低下にも影響することを見出した。この課題を解決するためには,鱗屑による表面荒れの早期改善を実現する必要があった。そこでスキンケアの基本的機能である保湿ケアに,新たにポリマーによる鱗屑の“接着”を可能とする技術を複合化させた新たな製剤化法を構築した。本手法を用いて開発した製剤による肌改善効果を評価したところ,鱗屑がわずか3日以内で改善できることが確認された。その結果として,彼女たちの生活課題である化粧のりの不具合も解消され,この効果が視・触の両観点から認知されることを確認した。

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