日本化粧品技術者会誌
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総説
食品における固体脂の結晶特性とその利用
尾森 仁美
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2025 年 59 巻 3 号 p. 119-124

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抄録

油脂は常温で液体の「油」と固体の「脂」に大別される。固体脂は天然では動物脂や,パーム油やココアバターといった熱帯地域の植物油脂に多く含まれる。また,油脂加工技術によりトリアシルグリセロールあるいは構成脂肪酸の分子構造を変えて物性を改良することができ,これによりさまざまな特性をもつ油脂製品を作ることが可能となる。食品のおいしさには固体脂の結晶特性が大きな役割を果たす。たとえば,チョコレート,ホイップクリーム,アイスクリームなどがあげられる。本文では固体脂の加工技術や,多様な食品における固体脂の利用について紹介する。

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