日本化粧品技術者会誌
Online ISSN : 1884-4146
Print ISSN : 0387-5253
ISSN-L : 0387-5253
油溶性ビタミンC誘導体の開発
木幡 康則秋丸 三九男村田 友次
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 29 巻 4 号 p. 382-386

詳細
抄録
脂溶性ビタミンC誘導体として2,3,5,6-O-分岐脂肪酸テトラエステル-L-アスコルビルを合成し, その化粧品原料としての有用性について検討した。
本化合物は, L-アスコルビン酸と相当する分岐脂肪酸クロリドとにより容易に合成することができ, わずかに粘性のある無色-淡黄色の澄明な液体で, においもほとんど無い。また, 水, 多価アルコールには不溶であるが, 炭化水素をはじめトリグリセライド, ワックス等ほとんどの化粧品用油相成分に任意に溶解することができる。一方, 熱重量分析の結果, 熱安定性にも優れており, 経時的に着色するようなこともなく, ヒト皮膚パッチテスト, インビトロ刺激試験の結果から安全性に優れていることもわかった。
機能的には, 酸化亜鉛, 酸化チタンなどの顔料分散性に優れており, 汎用されているひまし油よりその効果は高かった。また, 高い水分透過性を示し, SOD様活性をもつことも確認した。
これらのことから, 2,3,5,6-O-分岐脂肪酸テトラエステル-L-アスコルビルは新たな油相成分として, メイクアップ化粧品をはじめ, 乳液, クリームなど幅広い展開が期待できる。
著者関連情報
© 日本化粧品技術者会
前の記事 次の記事
feedback
Top