通常, パーマ剤の有効性を評価する際には, ジスルフィド結合の反応速度の測定やウェーブ形成力を測定するキルビー法が古くから用いられている。しかしながら, これらの方法はパーマ剤の効果発揮状況を直接的に測定する方法ではなく, 更にパーマ処理過程におけるパーマ剤の挙動についての情報も得ることは出来ない。
そこで本研究の目的は, パーマ剤の毛髪への浸透度を直接評価する方法を開発し, ウェーブ形成との相関について検討することにある。
ヨウ素液を用いて前処理した白髪をパーマ処理した際には, パーマ剤の毛髪内への浸透に伴い, パーマ剤中の還元剤により毛髪内のヨウ素色は消失する。本評価法は, この現象をその断面の顕微鏡観察により行うもので, この方法によりパーマ処理過程におけるパーマ剤の浸透度の測定が可能となった。
更に, ウェーブ形成力とパーマ剤の浸透度との相関についても検討を行った。