日本化粧品技術者会誌
Online ISSN : 1884-4146
Print ISSN : 0387-5253
ISSN-L : 0387-5253
ヒドロキシル化レシチンの化粧品工業への応用
高木 宏司秋丸 三九男高野 昭子木幡 康則田端 勇仁
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 30 巻 4 号 p. 388-395

詳細
抄録
レシチンの水溶性, 酸化安定性, 色, 匂いを改善する目的で, レシチンの脂肪酸残基中の不飽和結合をヒドロキシル化した。さらにそのヒドロキシル化レシチンの安全性や安定性, 物理的, 界面化学的性質について評価した。
in vitro試験の結果, このヒドロキシル化レシチンが無刺激で安全であることが判明した。また目的通り水溶性, 酸化安定性, 色, 匂いが改善された。さらに天然由来の界面活性剤としての良好な乳化性能だけではなく, 可溶化性能も併せ持つことがわかった。
続いて取り扱い性を改善する目的で, ヒドロキシル化レシチンをグリセリン溶液とした, ホスファチジルコリン70%含有ヒドロキシル化レシチン50%グリセリン溶液 (以下SH 50) を評価した。SH 50はヒドロキシル化レシチンとしての性質を持つだけではなく, 優れた可溶化性能を示し, 界面活性剤や化粧品原料との相互溶解性に優れ, ヒアルロン酸より高い吸水・保湿性能を示し, ラウリル硫酸ナトリウムの刺激を緩和するなど優れた化粧品用活性成分であることがわかった。
著者関連情報
© 日本化粧品技術者会
前の記事 次の記事
feedback
Top