日本化粧品技術者会誌
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メラニン生成に対するコウジ酸及び油溶性甘草エキスの併用効果
星野 拓成 英次小出 千春荒金 久美
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1998 年 32 巻 2 号 p. 153-159

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抄録

B 16メラノーマ細胞を用いて, コウジ酸及び油溶性甘草エキスの併用によるメラニン生成抑制効果について検討した。その結果, コウジ酸と油溶性甘草エキスを併用すると, 両者を単独で添加した場合に比較して相加的にメラニン生成を抑制することが明らかとなった。
さらにこれら両薬剤の併用効果の詳細を探るため, メラニン生成制御酵素の一つであるTRP-2 (Tyrosinase relation protein-2) に対する両薬剤の作用を検討したところ, コウジ酸, 油溶性甘草エキスともにTRP-2活性を濃度依存的に抑制した。また, コウジ酸と油溶性甘草エキスが同じメラニン生成抑制率を示す濃度でのTRP-2活性抑制率は, それぞれ7.7%, 21.2%であったことから, 油溶性甘草エキスの方がメラニン生成過程においてTRP-2活性を強く阻害していることがわかった。さらにTRP-2に対する両薬剤の併用効果について検討した結果, コウジ酸及び油溶性甘草エキスを併用すると, 両者を単独で添加した場合に比較して相加的にTRP-2活性を抑制することが明らかとなった。

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