日本化粧品技術者会誌
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パーフルオロアルキルエチルアクリレート (FA) 共重合体の特性と化粧品への応用II
ファンデーションにおける化粧崩れ防止効果
永島 晃治渡邉 龍彦森田 正道嶋本 一生菅原 康夫
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2001 年 35 巻 1 号 p. 56-63

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抄録

第1報で報告した2種類のパーフルオロアルキルエチルアクリレート共重合体 (略称FA共重合体) を化粧品用粉体の表面処理剤に応用した。これらFA共重合体のうち一つは, 分子中にブチル基とジメチルポリシロキサン基といった疎水性基を有する共重合体 (ハイブリッドポリマー) で, もう一つは親水性基である水酸基を有する共重合体 (SRポリマー) である。それぞれのFA共重合体の特徴は第1報で報告した。今回具体的には, ハイブリッドポリマーとSRポリマーを粉体の表面処理剤として用い, その処理粉体を使ってファンデーションを調製し, 化粧崩れの実使用評価を行った。その結果, まず第一に, ハイブリッドポリマーを表面処理したフッ素処理粉体を多量に配合したファンデーションは, シリコーン処理粉体を多量に配合したものよりも化粧持ちが優れていることがわかった。第二に, 同様なファンデーションにおいて, ハイブリッドポリマーだけでなくSRポリマーを同時に用いた方が, さらに高い化粧持ちが確認された。この結果は, 2種類のFA共重合体を併用することにより, 汗と皮脂の共存下 (主に夏) でも化粧崩れしにくくなることを示している。

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