日本化粧品技術者会誌
Online ISSN : 1884-4146
Print ISSN : 0387-5253
ISSN-L : 0387-5253
顔面皮脂量の部位差について
高橋 きよみ村松 宜江
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 36 巻 1 号 p. 17-24

詳細
抄録

従来から顔面で皮脂の多い部分は, 額, 鼻, 顎とされTゾーンと呼ばれているが, これらと現実の化粧くずれは必ずしも一致していない。そこでわれわれはこの検証を行うため, 美容スタップを対象とした意識調査や顔面各部位の皮脂測定および皮脂分泌状態の観察を行った。その結果, 顔面を19部位に分割することで, 個人の皮脂ランクパターンが表現できることを確認した。次に化粧仕上がりおよび化粧くずれに対する乳液の影響を顔面各部位で評価したところ, その部位の皮脂ランクによりプァンデーションの付着量に差があり化粧くずれ印象も異なることを確認した。これらの結果よりわれわれは, 皮脂量の多い鼻, 眉間, 頬上内側および顎の部位を一括してIゾーンと呼ぶことがふさわしいと考えた。また, ベースメイクを行う際には, 各自の各部位の肌性に合ったモイスチャー品のタイプの選択および使用量の調整を考慮すべきであると考えた。

著者関連情報
© 日本化粧品技術者会
前の記事 次の記事
feedback
Top