日本化粧品技術者会誌
Online ISSN : 1884-4146
Print ISSN : 0387-5253
ISSN-L : 0387-5253
体臭発生機構の解析とその対処 (2)
新消臭粉体の開発と制汗剤への応用
宮崎 雅嗣藤平 健一郎定家 恵実西川 直樹近 亮杉山 圭吉
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 37 巻 3 号 p. 202-209

詳細
抄録

体臭はエクリン腺, アポクリン腺, 皮脂腺などの分泌物等が皮膚常在菌により分解された不快なにおいであることが知られている。そのにおい物質としてC5-C11の低級脂肪酸, アミン類, ステロイド類などが体臭から検出されている。一方, われわれは体臭の解析からビニルケトン類の1-octen-3-one (OEO), cis-1,5-octadien-3-one (ODO) を新たに腋臭のキー成分として発見した。この研究の目的は低級脂肪酸類やアミン類だけでなくビニルケトン類に対しても消臭効果が高い消臭パウダーを開発することである。そしてわれわれは消臭効果が知られている各種パウダーを評価し, 高多孔質マグネシア・シリカを開発した。この優れた消臭効果は多孔質化による物理的吸着とマグネシアとビニルケトン類との特異的吸着の複合効果によることを明らかにした。さらに, このパウダーと体臭発生抑制効果が高いクワエキスを配合した制汗剤組成は優れた防臭・消臭効果を示した。

著者関連情報
© 日本化粧品技術者会
前の記事 次の記事
feedback
Top