抄録
粉末分散化粧品の配合を検討する場合, 分散体のレオロジー挙動を把握することは極めて重要である。
特に濃厚分散系はshear-thickeningのような異常粘性挙動を示すことが知られており, 希薄分散系とは異なる捉え方が必要である。本稿では高濃度球状シリカ分散体のレオロジー挙動を, 粒子-粒子, 粒子-分散媒の二つの界面相互作用の観点からモデル的に検討した。その結果, 未処理シリカを充填した水系サスペンションでは, ある条件下でshear-thickeningを示すことが明らかとなった。また分散媒のpHを高くする, すなわちシリカ等電点 (pH=4) から離れると, 静電気反発力が増加しせん断粘度が減少することがわかった。次にシリカをポリジメチルシロキサン, メチルハイドロジェンポリシロキサンにより表面疎水化処理し, 溶液系サスペンションのレオロジー挙動を検討した。すべての溶液系においてshear-thickeningは観察されず, ポリジメチルシロキサン処理はせん断粘度を低下させることが明らかとなった。サスペンションの粘度に影響する粒子表面処理は, 粒子-粒子相互作用だけでなく, 粒子-分散媒相互作用も変化させることがわかった。