日本化粧品技術者会誌
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日本人男性の加齢に伴う顔面皮膚の生理的・形態的変化と自己意識について (第2報)
シワ・皮膚色の加齢変化および男性のフェイスケア意識について
山口 あゆみ大西 一禎栗山 健一辻野 義雄藤原 延規
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2007 年 41 巻 2 号 p. 103-111

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抄録
日本人男性顔面の外観上の加齢変化について明らかにするため, 男性被験者のシワおよび皮膚色を評価した。加齢に伴い, 目尻部は最も大きな線状シワの深度が増すが, 眼窩下部ではほぼすべてのシワの深度が増しており, 目尻部は40歳頃, 眼窩下部は50歳頃から顕在化していた。また, 眼窩下部のシワは目尻部のシワに比べて個人差が大きく, 同年代 (40歳代) の中でも眼窩下部のシワが目立つ被験者はTEWLが高く, 皮膚コンダクタンス値は低かった。顔面皮膚色は, 加齢とともに赤みが増して明度が下がる傾向を示した。40歳代以前は, 夏季に顔面の明度が下がり冬季に上がる明確な季節変動を示したが, 40歳代以降, 夏季・冬季の季節間で明度に有意差が認められなくなった。男性が自己の顔面の変化を認識し始めるのは, 老化兆候が明らかに顕在化する40歳前後であった。男性は, 女性に比ベスキンケア製品に対する関心は高くなかったが, 若く見られたい願望やスキンケアが必要であるという意識は有していた。
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