抄録
空調機分野で、吸収冷温水機は冷媒にフロンを利用しておらず、排ガス・排温水等の排熱で駆動できるため、地球環境負荷の低減と省エネルギーの観点から注目されている。吸収冷温水機の冷房運転では、再生器への加熱量を増減する容量制御を中心に、吸収液の循環量、蒸発器伝熱管への冷媒散布量を操作することにより、冷温水出口温度を一定温度に保つ温度制御が必要である。しかし、負荷変動による応答特性の変化、冷温水配管系統の切替などの外乱要因により、冷温水出口温度の制御性が低下する場合がある。本報ではファジィ推論を応用して制御性の低下を定量化し、PID制御パラメータを補正する制御システムについて報告する。