抄録
1対1の対戦ゲームにおいて,プレーヤの能力が十分に発揮できず対戦に勝利できない場合がある.また,逆に実力以上の能力が発揮されて対戦に勝利できる場合もある.本研究では,これらの状況をプレーヤの実力発揮の不確かさとして扱う対戦ゲームを考え,そのような対戦環境下でどのようにプレーヤがゲームに適応するかを調べる.対戦ゲームでは,プレーヤの実力が発揮できるかどうかは相手の実力に依存して決まる.対戦ゲームのプレーヤは進化型計算における個体として取り扱われる.進化型計算における個体の適応度を対戦ゲームの成績と定義し,適応度の高い個体がどのような状況下で獲得されるかを調べる.