抄録
近年,コンピュータからの情報提示方法として,擬人化エージェントと呼ばれる人間のような振る舞いをするエージェントが検討されており,顔表情や音声などの様々なモダリティを利用することで,人間が伝えたい感情をより豊かに伝えることができると考えられている。本研究では,ユーザの代理として,筋肉モデルによる3次元合成顔表情に文章を朗読させることにより,ユーザが伝えたい感情を効果的に表現することを目指す。そのために,基本感情を混合した表現と,文章全体の雰囲気伝達を,表情により実現するための手法について検討する。さらに,この手法を用いて,文章朗読における感情表現をユーザが自分なりに実現できる感情表現支援システムを実装し,その評価を行う。