抄録
リスクを一定以下に抑えるという制約条件のもとで期待収益率を最大にする投資比率を求めるポートフォリオ最適化問題は,2次錐計画問題に定式化できる.とくに,各期末にポートフォリオの組換えを行う多期間の資産運用において,各資産の収益率の変化に複数のシナリオを想定すると,定式化された2次錐計画問題は双対 block-angular と主 block-angular の入れ子構造をもつ.本発表では,主 block-angular および双対 block-angular 構造をもつ2次錐計画問題に対する主双対内点法を並列化する方法を示す.また,双対変数に対する探索方向を求める連立1次方程式の係数行列を効率的に計算する方法を述べる.