抄録
多品種少量が特長である商品の生産において、益々のバラエティ・スピードという顧客満足にこれまでどおりに専用設備と在庫を抱えて対応すると、キャッシュフロー観点での経営満足を圧迫することとなる。この顧客満足と経営満足をいかに両立するかが製造業として市場競争に勝ち残っていくための大きな課題である。今回はその課題解決のために需要同期生産の実現を目指して、それに対応できる生産ラインとして異機種混流一個流しラインの導入とその生産ラインを最大限活用できるしくみを構築する取り組みを行った。異機種混流生産を実現するためには、それに追従できる部品供給のしくみや間違いを起こさないしくみの構築、また需要同期に対応するための停止ロスの極小化といった課題がある。これらの課題に対して生産情報を基にして作業を支援するシステムを導入し、これを活用した生産設備や部品供給のしくみを導入することで課題解決し需要同期生産に向けた生産ラインを構築したので紹介する。