抄録
近年、時間周波数領域の解析法として、ウェーブレット変換が注目されている。ここで、ウェーブレットに代えて、あらかじめ設定された周波数を有する複数周期分の正弦波などの切り出し波を用いた新しい解析法が著者らにより提案された。提案解析法は、新しいデータが入力される毎に、この入力データを用いてスペクトルを更新するものであり、さらに並列処理がが可能であることから、現状に於いても演算量を大きく低減できるが、並列処理コンピュータが実現した場合は、さらに大きく低減ができる。提案解析法では解析手法その1とその2のふたつの手法を示した。解析手法その2はその1に比較して、さらに数百倍の高速化が達成できるものである。解析手法その1については、信号の分解と再構成が可能であることが既に示されたが、解析手法その2については未解決であった。ここでは、解析手法その2による信号の分解と再構成について示す。