2024 年 31 巻 10 号 p. 21-33
推奨される身体活動や望ましいトレーニング目標を達成する際、たびたび障害となるのは時間である。これは、レクリエーションレベルのトレーニングを行なっている成人やアスリート、特に、練習やトレーニングの時間に大きな制限のある大学生アスリートに当てはまる。可能な解決策のひとつは、望ましい生理学的適応を達成するために必要な時間を制限する、時間節約トレーニングや時間効率化トレーニングのルーティンや方法を取り入れることである。それは、トレーニングに必要な時間を短縮することや、週を通して短時間のワークアウトを高頻度で行なうこと(「マイクロドージング」など)によって実現できる。最適なトレーニング刺激を与えるためには、正しい方法を用いなければならない。残念なことに、現在入手可能な研究では、ルーティンや方法が数多くの用語を用いて論じられ、その多くが一見類似しているために混乱を招いていると思われる。本稿の目的は、数多く存在する、時間節約および時間効率化トレーニングのルーティンや方法について、それらの共通点と相違点を概説することである。最終的に、本稿は、ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチやパーソナルトレーナーのために、現在の研究を統合し、プログラム作成の選択肢となる実践的な助言を提供する。また、提供される情報は、時間節約および時間効率化トレーニングに関する将来の研究機会の基盤としても役立つだろう。