2026 年 33 巻 7 号 p. 4-9
本稿では、防衛大学校における幹部自衛官育成を、日本版TSAC(Tactical Strength and Conditioning)モデルの実践例として紹介する。防衛大学校では、「知・徳・体」の教育方針のもと、全寮制生活、日常訓練、競技会、体育科目を通じて、体力のみならず、リーダーシップ、レディネス(即応性)、心理的レジリエンスを総合的に育成している。また、国際競技会への参加を通じて、実践的な身体能力やチームワーク、国際協調性を醸成するとともに、暑熱環境下でのトレーニング、時間的制約を考慮した効率的なS&Cプログラム、傷害予防を目的とした運動機能評価など、タクティカルアスリートに求められる能力を高める教育を展開している。さらに、将来の災害派遣や極限環境下での任務遂行を見据え、Human Performance Optimizationの視点を取り入れた教育体系の意義と、日本版TSACモデル構築に向けた今後の課題と展望について考察した。